加子母木匠塾のブログです。平成7年から当時の加子母村を拠点に、森林や林業と深い関わりのある地域で木造建築をテーマに、自然や地域社会の中に溶け込みながら、今までに延べ1000人以上の大学生が加子母で木造建築に真剣に向き合っています。


by 加子母木匠塾

2019年度金沢工業大学制作物について

【加子母中学校 美術室の棚制作】

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『今年度制作物イメージパース』



 今年度の金沢工業大学は、加子母中学校の美術室後方に設置する棚を制作します。
金沢工業大学では一昨年2017年に立命館大学と合同で取り組んだ図書館改修以来、2回目の加子母中学校での製作となります。

 


 お施主様は加子母中学校様、敷地は加子母中学校美術室です。
加子母中学校は、かしも地域の中心近くにあり、国道257号線から沿道を少し登った場所にあります。

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『地図はGoogleマップより』


 


 美術室の棚改修に際し、施主である加子母中学校様から、劣化によって機能性・安全性が低下した壁面の棚を改修し、授業で使う道具の収納・生徒たちの作品を飾る展示の2つを兼ね備えた棚に変えて欲しいとの要望をいただきました。

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『現在の美術室』



 設計するにあたり、3年生・幹部を3チームに分け、各チーム設計・棟梁を中心に設計案を出し合い、それらを元にスタディを繰り返し設計を進めていきました。それと並行して毎月の幹部会ごとに、担当工務店である『中島工務店』様や施主と相談を繰り返し現在の案に至りました。


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『制作した模型』



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『工務店様との打ち合わせの様子』




 また、今回の美術室の棚改修に際し、一昨年2017年度に制作した図書館の本棚との統一感を出すため、今年度の制作物にも『三方格子』を使用します。
学年ごとの収納スペースや、生徒の皆さんの作品を飾る展示スペースを設け、生徒の皆さんだけでなく先生方にも使用しやすい棚を目指しました。また、安全面に関しましては、地震に対応するために、下地から作成を行い、改善された下地に棚を固定することで安全な設計としました。
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【今までの活動】

 今年度の金沢工業大学では、去年に引き続いて技能講習に力を入れ、4月から毎月1回は加工練習を行いました。さらに今年度からは幹部のみでの技能講習を全体での技能講習の前日に行うことで、加工方法を確認した上で後輩の指導にあたるというサイクルを作り、大学全体としての技術力向上を図りました。
 
全体での技能講習では『ほぞ継ぎ』と『三方格子』の練習をしました。6チーム程に分かれ、下級生には先輩がついて教え丁寧に作業を進めていきました。
 
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『技能講習の様子』




幹部のみの技能講習では、木材を置くための棚を三方格子を用いて作成しました。

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『作成した棚』












 今年度もチームTシャツを作成しました。今年のチームカラーはベージュ色です。加子母で見かけた際にはよろしくお願い致します。
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 8月10日に開校式があり、8月25日まで約2週間お世話になります。また、8月7日からプレ工期として数名、お邪魔させていただくことになります。
ご迷惑お掛けすることも多いかと思います。加子母の皆様には大変お世話になりますが、温かく見守っていただけると幸いです。引き続き今年もよろしくお願い致します。
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金沢工業大学 広報 時實

by kashimokusho | 2019-08-01 18:29 | 2019年度