加子母木匠塾の書籍出版に関するお知らせ
2020年 12月 14日
こんにちは、同窓会事務局です。
この度、来たる加子母木匠塾30周年(2024年)に向けて、木匠塾についてまとめた書籍の出版を企画しています。
加子母木匠塾の歴史を振り返り、これまでの活動や制作物の他、OBOGの活躍をまとめつつ、加子母木匠塾の今後の発展に寄与するものとして本に残したいと思います。
この意見に賛同した、既に同窓会に入会しているOBOG有志が集まり、編集委員会を立ち上げました。
現在はオンラインでのミーティングにて、内容の検討を始めたところです。
現時点の企画の詳細については、以下の「木匠塾書籍企画書」を御覧ください。
出版物としてまとめるためには、OBOGの皆様のご協力が欠かせません。
原稿執筆や座談会への参加、アンケートへの回答、写真や資料、思い出やエピソードなどのご提供を依頼することもあるかと思いますが、どうぞご協力お願いします。
また積極的に編集に参加してくれる方がいらっしゃいましたらご連絡お待ちしております。
同窓会に未加入の同級生・先輩・後輩がおられましたら、まずは同窓会入会へのお声がけをよろしくお願いします。
木匠塾書籍企画書
(仮題)加子母木匠塾とは何なのか─30年続く木と建築の学び場
<加子母木匠塾30年史編集委員会(2020/12/13時点)>
代表:柳沢究(1999京都大幹事)
幹事:伊藤満広(加子母木匠塾実行委員会事務局)、臼田桃子(2002,04京都大)、原田佳苗(2018総幹事・名城)、藤村真喜(2005総幹事・京都大)、堀賢太(2007総幹事・京都大)、政木哲也(2005京都大幹事)、松井茉優(2019総幹事・京都大)
委員:池田拓海(2020総幹事・東洋大)、伊藤拓也(2014-18京都大)、甲斐淳一(2005総幹事・千葉大)、嵩和雄(1997,98東洋大)、川井操(2005滋賀県大)、島一生(2007立命館大幹事)、善田奈緒(元中津川市職員)、野澤咲季(2013-17金工大)、廣野満貴(2018副総幹事・金工大)
顧問:中島紀于(中島工務店・加子母木匠塾実行委員会委員長)、布野修司(日本大学客員教授)、安藤正雄※(千葉大学名誉教授)、藤沢好一(芝浦工業大学名誉教授)、太田邦夫※(東洋大学・ものつくり大学名誉教授)※予定
<仕様>
A5判/並製/420ページ程度/部数未定/価格未定/2023年度刊行予定
出版元:建築資料研究社
<概要>
岐阜県の旧加子母村(現中津川市加子母)で1995年以来、20年以上にわたり続いてきた「加子母木匠塾」の取り組みの全貌を「学」「域」「木」「場」の視点から多角的にまとめる書籍。木匠塾は林業の盛んな旧加子母村を拠点に、普段は関東や関西の大学で建築を学ぶ学生たちが、森林という環境、自治体や地域の工務店(行政・産業)、施主・地域住民らと関わり合いながら、実地で木造建築と向き合う貴重な場として、これまで延べ4000人以上の学生が参加し、100以上の制作物を生み出してきた。関わった学生のその後の人生にも少なからず影響を与えてきたという学びの場としての意義や、域学連携の成功例として、また座学では得られない木造建築の魅力を体験する実践として、これまでその全容が知られていない木匠塾について、広く知ってもらう一冊。その歴史、総体を伝えると同時に、ただの記録集や資料集ではなく、また内側の視点に終始することなく、多様な関心をもつ人に手にとってもらえるような構成とするため、「学」=学びとして、「域」=地域にとって、「木」=木のものづくりの入り口として、「場」=場づくりとして、という大きな4つの切り口からひもといていく。
<意義・現在性>
地域連携やオルタナティブな学びのあり方として、早い時期からの取り組みであり、また20年以上続いているという点でも貴重な実践例といえ、これまでその全貌がまとめられていない活動体の総体をさまざまな視点から捉え返すことは、地域おこしや場づくり、学びの多様化などが注目されている現在の社会に投げかけるものが多い。
<構成案>
各章の要素は、当事者による総括的論考、各テーマに関する寄稿、関係者のインタビューや座談会、外部の専門家による客観的論考などから構成する。
第1章 はじめに
第2章 木匠塾とはなにか(概論)
・加子母のこと
・木匠塾のこと
・木匠塾略史
第3章 「学」学びとしての木匠塾
・木匠塾の初心と現在
・建築教育と木匠塾
・なぜ私は木匠塾に熱中したのか
・フィールドスクールとしての木匠塾論
・各世代ごとの木匠塾の学びとは
・OBコラム/インタビュー
第4章 「域」地域にとっての木匠塾
・加子母行政の視点から
・実行委員長インタビュー
・地域住民/施主/使い手インタビューor座談会
・学生の視点から
・域学連携から見た木匠塾論
・コラム:冬木匠塾のこと、年越し加子母
第5章 「木」木造の入り口としての木匠塾
・総論
・製材
・墨付+加工
・ピックアップ作品紹介
・制作物分析
・産業との関わり
・木匠塾がその後の仕事に及ぼした影響(OBによる寄稿)
第6章 「場」場づくりとしての木匠塾
・30年続く木匠塾の仕組み
・木匠塾の一年
・大学ごとの競合システム
・場づくり論から見た木匠塾
・運営側座談会
・OB卒業生と加子母の関わり
・コラム:木ラブ
第7章 まとめ:これからの木匠塾
・木匠塾は今後どうあるべきか
・長期的視野、現代的文脈から見た木匠塾の評価
資料編
・全制作物リスト
・クロニクル
・運営体制
・大学各論
<読者層>
① 木匠塾関係者(OB・運営スタッフ・加子母の方等)
② 建築学生、木造建築に関わる仕事をしている人、
③ 建築や地域に興味のある人、これから学ぼうと考えている若い人(高校生)
④ 教育関係者(大学教員、ワークショップ運営者)
⑤ 地域おこしに取り組む自治体関係者
⑥ 社会の中での場づくり、コミュニティの問題に関わる人
<類書>
・『ケンチクカ─芸大建築科100年 建築家1100人』東京藝術大学建築科百周年誌編集委員会編、建築資料研究社、2007年、415p、2400円
・『高山建築学校の伝説─セルフビルドの哲学と建築のユートピア』趙海光+高山建築学校編集室編、鹿島出版会、2004年、246p、2400円
・『美学校1969-2019─自由と実験のアカデメイア』美学校編、晶文社、2019年、322p、2700円